出展していた『ととのう温泉美術館』が閉幕しました。
『夕刻のヴァイオリン弾き - sunset 』として31日間、日没と共に過ごすことができました。
23時間45分、三谷温泉で空気を吸って日没の15分で吐く、そんな深呼吸しているような日々でした。
あの即興演奏が、日没と共に起こる現象のように存在できていたなら幸せです。
そして、この貴重な作品が実現できたのは迎えてくださった皆様のおかげでした。
運営の方々、旅館の方々、ボランティアの方々、アーティストの方々、そしてお越しいただいた皆様、宿泊で偶然出会った皆様、一緒に過ごしていただき本当にありがとうございました。
段々と夕刻のヴァイオリン弾きが僕から離れて皆の中に存在していく様子も垣間見えて幸せでした。
開催日の朝には『はじまりのヴァイオリン弾き』として11:00も告げていました。
おそらく自分が一番、長く三谷温泉で過ごしていたのではないかと思います。
時報はよそものではなく、住まうものでなければ鳴らせないものだと僕は思っています。
この期間、暮らすように過ごさせていただいたことに本当に感謝です。
月曜日に日常へ帰っていく皆を見送り、金曜日にまた会う。
旅館の方々に「おかえり」「ただいま」を言っていただいたり、他愛無い話をしたり、新しいことを企んだりする。
一ヵ月の間に”ととのう温泉美術館”が浸透し、ほぐれて人々と調和していく様子が見られる。
本当に楽しい愛おしい日々でした。
また、二つの作品を軸にしながらいくつかのイベントも開催させていただきました。
こちらも通常では考えられないような貴重な機会の連続でした。
映像や、写真では記憶にはとても及ばないと思うけれど可能な範囲でこれから少しずつアーカイブもしていきます。
また会いましょう。
今日の記憶を海に浮かべて
揺られて いつまでも
忘れないから さよなら
明日は今日よりほんの少し
長く 会えるよと
日が暮れていく 夜が来る
バイバイ
2023.2.24